6/02/2008

そっか、オレは編曲家か




たまたまwebで、自分が「編曲家」として名前が出ていたのを発見してしまいましたw


リミックスもちょこちょこやっております。会社を立ち上げてからはメインではやっていませんでしたが、昔からのつながりで今でもお仕事をいただいたりします。

8年ぐらい前に「おニャン子クラブ」のリミックスをやらせていただいたのですが、最近再び収録されたようですね。


リミックスという言葉が世の中に広まって早十数年経ちますが、従来の音楽制作の世界では「 リミキサー ≒ 編曲家 」という位置付けなのです。

というわけで、今日はリミキサー話をお届けしましょう。

4月に発売されたのは、申し訳ないとフロム赤坂 アイドルMIX というコンピ、往年のアイドルのヒット曲集です。

ちなみにAmazonで自分の名前を漢字で検索すると、なぜかポニーキャニオンさんのCDばかり出てきます。

おニャン子クラブのリミックスCDは同時に工藤静香もリリースされ、4曲ずつ収録されています。当時、両方のアルバムのリミックス(編曲)の仕事を依頼されたとき、ディレクターの方に「何曲できる??」って聞かれ、勢いで「何曲でも」って答えたら、工藤静香サイド全4曲とおニャン子クラブサイド2曲をやらせていただけることになりました。

しかーし!

「締め切りどんぐらいすかね?」 と納期を確認すると、

「ん?2〜3週間ぐらいあれば平気?」みたいな。

ガーン!

当時はまだオールデジタルシステムにはできていなかったので、フツーに曲を作ると1曲最低1週間はホスィわけですよ!っていうか、3週間で6曲はフツー無理。。。

だってー、オートメーションのトータルリコールが当たり前になっている昨今とは違いー、シンセやミキサーやパッチングの状態を再現するのは時間がかかり、並行作業は現実的ではありません。

近年(90年代初頭)からのリミックスというのは、ヴォーカルの素材をもらい、それ以外のトラックを編曲しつつ、音も作っていきます。通常、編曲したあとにトラックダウンとマスタリングという2工程が入るのですが、このときの仕事はトラックダウンも含めて完パケを作るものでした。最近の作曲家はコンペの場合、編曲もしてしまって、最終とほぼ同じクオリティまで作ることが要求されます。

なので現代のリミキサーというのは、主メロを除いてほぼ作曲に近い仕事をしているワケです。

一緒に名前が載っている望月は大学1年から大学院までずっと一緒で、DJも一緒のハコでやっていました。彼は今でも「DJもっちー」として活動しています。New Generationというのは当時2人で立ち上げたチームなのです。

彼は、私が作ったトラックを都内の数店舗のハコ(ディスコ、クラブ)でかけてくれて、すぐに客の反応を教えてくれます。自分もDJやってましたが、そういった仕事が入ったときには制作優先でスケジュールしていたので、役割分担がうまくできていました。

で、話を戻すとですね、6曲を3週間で作るのですよ。単純計算で3日で1曲みたいな。友人や後輩に数曲アレンジ手伝ってもらいましたが、工藤静香とおニャン子クラブっていうビッグネームの仕事やらせていただくっつーことで、寝ないでリポD片手にクオリティにこだわって仕事終わらせました。

お蔭様で、「慟哭のピアノで泣いた」とかメールもらって嬉しかった記憶があります。

このときの制作秘話だけで、もう1エントリ書けちゃうのですが、また今度。

現在、リミキサーというのは、作曲に近い編曲(アレンジ)もミックスダウンも、時としてレコーディング、マスタリングも行います。オリジナルを生かしつつ、いかにその持ち味を引き出して別のものを生み出せるかが勝負です。このように、「従来あるものに付加価値を与えていく。」 そんな仕事かなと自分は思っています。

さらにリミキサーの域を超えて、グローバルなビジネスに結び付けられたら、きっと音楽でメシを食っている人たちの助けにもなるかなと考えています。