4/16/2008

平均化する世界



今回、日本とアメリカを短期間で行ったり来たりする機会が
あったので、そこで感じたことを書きたいと思います。



こんなこと考えたことありませんか??

今、自分が好きな物事がありますか?趣味でも仕事でも構いません。

それは、何ですか??それは世界で何位ですか?


その好きな物事は、「知識レベルが深いこと」が有効なのか、
「経験の深さ」が有効なのかわかりませんが、どちらにしても
「その道」でランキング(順位付 け)できますよね。

ランキングされるものもありますし。例えば草野球で優勝したとか、
コレクション数で世界一になったとか、壷を作らせたら日本一とか。
オリコンで1位になったとか。

その「自分が好きなこと」について「そのランキングを知る」ことは
継続のモチベーションにもなりますし、優勝祝いなどイベントの
きっかけにもなりますよね。

別の言い方をすれば、ランキングは「経済を動かす一つのきっかけ」。

まあ統計の業界の話ですが、そういった「一位」というのは状況や
前提を変えるだけでいくらでも「一位」を量産できるので、その人
が求める一番と異なることが多い、というか広告戦略的に踊らされる
人が多いといったほうがいいでしょうか。

映画の宣伝文句なんかいい例ですよね。「全米なんとか数ナンバー1」
輝いた映画!とか、新しい映画が出てくるたびに何とかナンバーワンを
謳っているのは、前提条件を変えているだけなんですよね。

一番にこだわる人は、前提条件を変えればいくらでも一番になれます。

数年前、携帯電話は日本が「一番」進んでいるとよく言われましたが、
そのときは何について一番なのかいまいち実感がわきませんでしたが、
今は感じることが出来ます。

以前も書きましたが、日本は0(ゼロ)から1(イチ)を作るのは
苦手ですが、1から10にするのは得意ですね。量産という意味では
なく、一つの「品質」を高めるという意味です。

それは海に囲まれ鎖国という時代を経て、焼け野原から立ち上がった
ハングリー精神で培われたものなのかもしれません。高度成長期の
日本をみると一つの物事に必死に取り組んで「作り込み」をした結果、
いつの間にか「品質を高める」ことになっていったのではと考えます。

日本では、クリスピークリームドーナツとかマクドナルドとか、いい例
ですね。こちらのモノと比べると「ものづくり」がやはり丁寧で日本の
方がおいしいです。(私が日本人だからそう感じるのかもしれませんが。)
車に関してもまだ上位だと思います。家のつくりとか見ても、日本の
「ものづくり」は丁寧ですね。

こちらで生活していると、話題がついつい「今の日本は〜」とか、
「日本をよりよくするには〜」といった話になります。こちらの著名な
方々の著書を拝読して も、日本人としてのアイデンテティを大切に
しているなと感じることが出来ます。それが仕事のモチベーションに
なったりしているのですが。

情報化が進む以前の時代は、上に述べたような「ものづくりの丁寧さ」
などで世界の中で「尖る」ことができましたが、これだけインターネット
で情報共有が進む、つまり平均化される世界の中、日本は、自分は、
あなたは、何で尖ることができるのでしょうか。

他人と同じことを美学としてきた日本。

今、個人個人の個性を尊重することを大切にしていかなければと思う
今日この頃です。