カリフォルニアの犯罪率は他の州と比べると低いほうだと思いますが、それでも日本に比べれば高いです。犯罪に巻き込まれそうになったことをアメリカ人の友人に話すと、みんな口を揃えて
「 Welcome to America ! 」
身の危険もジョークにしてしまうのか!?と。
犯罪に対して慣れているというか、心の余裕があるというか、日本が平和ボケしているのか、考え方を根本から変えさせられる。
まあ、どんな状況でもそれを楽しむエンタメゴコロは大切にしなきゃと思いました。
今回はそんなお話を章立てでお届け。
第一章 アメリカの治安について
5年前のデータで少し古いですが、在米日本大使館の犯罪統計情報 を見てみましょう。
日本と比較すると、アメリカの犯罪発生率は、殺人が約5倍、強姦が約17倍、強盗が約24倍となっています。日本では犯罪が増加傾向にあり、アメリカでは減少傾向にありますが、依然として、アメリカの犯罪発生率は日本と比べものにならないほど高い数値を示しています。アメリカは、安全になってきたといっても、日本と同じような感覚でいると大変危険であると言えます。 [ 在米日本大使館 ]
まあ、犯罪率が日本より高いこと、安全に対する意識を根本的に変えなければいけないことは、うすうす意識しており、それなりに防犯グッズを使っています。
第二章 防犯とエンタメゴコロ
続いて、先日、小さな町に買い物に行ったときの話。
突然ですが、ちょっとアンケート。
あなたはアメリカのダウンタウンからは離れた町の商店街の店のオーナーです。
店に置いてあるものは一つが数十万円以上なので、夜の防犯には気を遣います。
そこで、防犯カメラを導入することにしました。
カメラを設置しただけでは、「防犯」というよりは犯罪が起きてからの証拠を撮る意味合いが大きいので、防犯装置が設置してあることをフロントウインドウに告知することにしました。
あなたならどうする??
A. 「防犯カメラ設置中」 というステッカーを窓の端のほうに貼る
B. セキュリティ装置のアイコンが表示されているステッカーを窓の端のほうに貼る
C. セコムのようなセキュリティ会社のロゴのステッカーを窓の端のほうに貼る
D. 防犯カメラの方を示した矢印を窓の真ん中に貼る
E. 昼間の営業中の外観の問題があるので何も貼らない
私は日本の会社のオフィスを作った頃は、サーバをおいてあったりしたのでCにしましたが、
リテールの店となると事務所の防犯とは少々異なりますねー。
それで、
解答ですが、
上の選択肢にはない
Smile for the camea.
と書いてあるペライチの紙が貼ってあるだけ。
「 Welcome to America! 」 に通ずるなと思わされました。
第三章 フレンドリーなおじさん
実はその店には車を見ようと思って、フラっと入ったときに、何か80'sな感じな店だな〜と思い、よくよく店主をみるとおそらく60後半か70歳台のオジサン。
店の中はカウンターにこそパソコンとプリンターが置いてあるが、それ以外は車屋のはずなのにレトロなアメリカンバイク、時代を感じさせるアップライトピアノ、テーブルの上には果物とちょっとこ洒落た感じ。
店主は友人と思われるオジサンとお茶を飲みながら楽しそうに談話している。
自分を見つけるなり、陽気に話しかけてきてくれた。
一見して日本人だとわかったのか、定番の
「Are you Japanese? KO-N-NI-CHI-WA! ARI-GA-TTO-GO-ZA-I-MASU !」
こちらで生活していると、よく中国人に間違われるのだが、そのオジサンは一見して日本人と見破った。
普通のアメリカ人にしてみれば、日本人と中国人と朝鮮人は区別がつかないのが普通なのに。
「で、何か探してんの?」と
ちょうど店の中にあった車種にも興味があったので、
「これエンジンルーム見ていい??」というと喜んで見せてくれた。
しかし、少々放置プレイ気味でバッテリーが死んでいた。
そこから、バッテリーを交換したりといろいろその車を見るのに時間を費やしたのだが、値段の話になったときに、実はパソコンが調子悪いと。値段とかはこのパソコンの中の「ナンチャラカンチャラ」で管理してるんだと。
「ちょっとこれ見てくれないか?これ動かないから、最近車が売れてないんだ〜!ガハハ」
いや、おじさん、笑い事じゃないだろうと、思いながら診てみることにした。
結果からいうと、アプリが入ったディレクトリを何かの拍子で消したらしく、自動車販売用アプリが開かなくなっていた。エラーとパスの情報を元に原因がわかったので再セッティングにとりかかる。
「でも、おじさん、これって車の原価とかいろいろな情報が丸見えなんだけど」って言うと、横にいた友人のオジサンが「この店主とは長い付き合いだが、とても正直で信頼できるヤツなんだー!ガハハ!」と。
うん、確かに信用できるおじさんだなと(笑)
自分がキーボードをカチャカチャやっていると、友人のおじさんと「タバコ吸うかね?」とかすすめて来る。「いやタバコ吸わないんで、いいですよと」言うと、
「おおー!キミは New Generation だね〜。」と。
(うん、確かに俺は New Generationっていうリミックスチームをやっているがと 内心笑ってしまった。)
パソコンの再セッテイングに時間がかかることを察したのか、おじさんたちは店の外にタバコを吸いに出てしまった。俺一人店に残して。大切そうな書類とか机の上にあるのに。
で、さらにキーボードをカチャカチャやっていると客が入ってきた。その店は入り口が2つあるので、おじさんたちが出て行った入り口以外からも客が入ってくる。
「アンタ、店主?」
いやいや、どうみても俺はこの店のオーナーには見えんだろっと。
で、おじさんを呼びに行き客が来たことを知らせる。
客が帰る頃には、修復も終わり、
「おじさん、動くようになったよ」というと、
「おー、ジャパニーズはジニアスだよな〜」と友人と感心している。
いやいや、そんなことはないと言いながらも、喜んでくれたからよかったなと思い、出してくれた紅茶をすすった。
どんなときも終時「笑い」を忘れない。(大阪のツレのようだ。)
うん、このオジサンなら Smile for the camera ! と犯人に言うなと確信した瞬間だった。