5/07/1998

Remixerのつぶやき #5

今回は、ちょっと録音メディアの話でもしますね。

普段、DAT (Digital Audio Tape)使ってる人なんかいないと思いますが、
DATの裏話も結構あるんですね。これが。

デッキとテープの相性とか、デジタルオーディオ・インタフェースとの相性とか
ワードクロックの整合性の問題とかいろいろあります。デジタルだから、
どのメーカーのデッキでもテープでも音が同じだろうというわけではないのです。

例えば某P社のデッキで録音したテープを某T社のデッキで再生するとデジタル
ノイズ出まくりで使い物にならないとか。これからリミックスを本格的
に始めようと思ってる人はDATは必需品です。上に挙げた問題を避けるためにも
このデッキとテープを使えば大丈夫じゃないかなという物を紹介します。

デッキはSONYの物を買えば、まあ問題はあまりないはずです。経験的に
いままで一番問題を起こしてないです。特に携帯用のTCD-D7とかは、ほぼ
どんなメーカーのテープでもデジタルノイズなしに再生します。(あくまで
経験的にですので、絶対ではありません。)おそらく、持ち運びを考えて
いるので、ヘッド周りがしっかり作られているのでしょう。もしDATが欲しい
けど、持ち運びがしたいというのであればSONYのTCDシリーズをお勧めします。

また、テープもSONYのを使えば問題ないと思います。あとKAO(あの石鹸の花王)
のDATも、とても良かったのですが、今年の3月の情報部門撤退でDATも生産中止
となってしまいました。 New Generation ではKAOのKX-PROシリーズを愛用してた
のに……


左がKAO KX-PRO、真ん中と右がSONYのPDPシリーズです


一般小売店ではあまり置いてませんが、AMPEXやHHBなどもいいですね。
順番は 1.KAO 2.SONY 3.AMPEX 4.HHB って感じです。
ここで紹介したのはプロ仕様なので、値段もそれなりに高いです。


次にMDですが、DATに比べて使っている人が多いと思います。MDも発売当時

に比べてずいぶん音が良くなりました。音声圧縮技術の進歩でしょう。
MDではATRACという音声圧縮を使ってますが、これは簡単に説明しますと
「人間の耳には聞こえないだろう音」と「聞こえなくてもいい音」を間引いて
元データの約5分の1まで圧縮しています。だから、元の音とは違います。
それでも内部処理のビット数を上げたりして、音が良くなってきてます。

リミックスをしていて途中の段階でチェックしたいことがよくあるのですが、
「音」のチェックにはMDは使いません。面倒でもDATでチェックします。

曲の流れや構成などのチェックのときだけはMDを使うこともありますが。

実はMDにもデッキとディスクの相性が少なからずありました。今は改善
されましたが、相性が悪いと「音とび」などが発生します。昔はこれで
よく悩まされました。MDもプロ仕様のものが存在します。
値段も4〜5倍と高めですが信頼性は抜群ですね。

プロ仕様と民生用の大きな違いはこの信頼性と値段(^^;ではないでしょうか。

ということで、MDのデッキもディスクもSONYのものをおすすめします。

こうやって見てみると録音機材メディアはSONYのものを買っておけば取り敢えずは
安心ということですね。それもそのはずです。SONYでは放送機器を始め、世界中の
ほとんどのスタジオにある48トラックマルチを作ってるんですからね〜。

とにかくマルチだけじゃなく他の定番スタジオ機材もSONYのものが多いし。




洗濯機2個分位の大きさ!これがないスタジオは一流のスタジオじゃないとまで
いわれる定番。値段もスゴイけど。

まあ、長くなりましたが、とりあえずDATもMDもSONYのを買えば安心!
という結論。