みなさん、音楽を聞くときは何で聞きます?
ラジカセ?ミニコンポ?高級オーディオシステム?カーステ?
いろいろあると思いますが、実はこの「いろいろ」がクセ者なのです。
リミキサーにとって音のバランスを決めるのも仕事なのですが、
スピーカーによって聞こえ方が違う!スタジオではいい感じなのに
ディスコで聞いたら全然違う!みなさんも経験してると思いますが、
ディスコで聞くアノ曲は家で聞くのとちがーう!っていうのありません?
そーなんです。違うんです。大変なんです。バランスをとるのが。
で、何を使うかといいますとYAMAHA NS-10M なんですねー。
どこのスタジオに行っても必ずあるといってもいい位
よく使われてます。別に音が良いとかいう理由ではありません。
みんなが使ってるからです。では、なぜみんな(音楽関係者)が使うか?
例えば、低音がガンガン出る大きくてリッチなスピーカーを使って音の
バランスを調整したとしましょう。それをラジカセなどで聞いてみると………
全然低音が出てないショボイMIXになっています。
もう、おわかりですね
いい音が出るスピーカーで作業しちゃだめなんです。Remixerのつぶやき #1で
書いた「作り」だけではなく、「音」についてもリスナーのことを考えて作るんです。
つまり、すべての周波数帯において、均一な音圧が得られるスピーカーが
理想なのですが、そんなスピーカーはありません。(少なくとも現在の技術では)
そういった理想のモニターに近いのがYAMAHA NS-10M(通はテンモニと呼ぶ)
なのです。まあ、テンモニがよく使われるようになった他の理由は、ある有名な
エンジニアが音楽誌のレビューで絶賛したというメディア戦略にみんな乗った
わけですね。
その後普及しまくって、現在ではどこのスタジオにでも置いてあるので、
あるエンジニアが他のスタジオに行って作業しても、テンモニで音のバランスを
合わせれば、こんな感じになるっていうのがわかるんですね。そのため、
現在では「事実上の標準」モニターになっています。
よく使われるようになってもう10数年たつので、エンジニアもそのクセが
わかってるんですね。テンモニはやや中域が出過ぎる傾向があるので、それを
見越してミックスすればいいわけです。中域が出過ぎるから悪いというわけでは
ありません。逆にその帯域の音がしっかり出ていてミックスしやすいのです。
また最近では、SONY SMS-1Pも人気が高いようです。NS-10M はアンプが必要ですが、
1Pはアンプ内蔵でコンパクトで、スピーカーの周波数特性が、みなさん(リスナー)が
使うスピーカーに極めて近いというのも理由の一つかもしれません。
一時期、ミュージシャンの間でSONYのラジカセをモニターとして使うのが流行った
ときがありますが、これは同じ理由によるものだと思います。
また、テンモニと同じクラスでアンプ内蔵のSONY SMS-2P というのも出ています。
こちらも周波数特性がフラットなので 1Pよりもっと大きいモニターが欲しい人は
買いでしょう。ちなみに、SONYの2製品は防磁設計なので、ディスプレイの横での
使用も可能です。
New GenerationではテンモニとSMS-1Pを使ってます。他にいいと思うのは
ALESISのモニターです。B4 ZA BEATはこのALESIS のモニターを使ってます。
リミキサーを目指すあなた!モニターにも気を使いましょう!
ちなみにデルタのホームページに出てくるスピーカーもテンモニ、S.E.B.vol.70
のブックレットに載ってるDAVE RODGERSの後ろにもほらっ!テンモニが!
あなたもお一ついかが?テンモニ!
(注: 別にYAMAHAとSONYから何かもらってるわけではありません。(笑))
(注2: ここで紹介したスピーカー類はあくまでリファレンスモニターなので、
リスニングには向いてません。)