1/22/2009

ビックリマンにビックリ



昨年の夏に実家に帰ったときのこと。


いつも田舎に帰っても、親が住んでいる新しい家の方に泊まる。

自分が高校まで過ごしたその部屋は、自営業の工場の2階で、
今、親が住んでいる所から車で5分ほどの所にある。

昨年、10数年ぶりにそこに行ってみた。周りは開発でなくなった
建物、新しく出来た道路などでパッと見は変わったけど、面影は残っている。

そして、俺は自分が18年間過ごした自分の部屋に続く階段を上り、
きっとクモの巣とかで汚れているのかと、恐る恐るドアを開けた。

その部屋は、まるで時間が止まったかのようにそのまま状態で残っていた。
想像と違うあまりのキレイさに拍子抜けしたが、同時に忘れかけていた
様々な記憶が駆け巡る。

そして、 祖父に買ってもらった学習机の引き出しを開けると、ゲーム
ウォッチやら 高橋名人の連射測定ガジェット「シュウォッチ(だっけ?)」、
バスケ部で使ってた マイボール、ビックリマンのシールなどが出てきた。

懐かしさが、こみ上げてくる。この部屋もいつ取り壊されるかわからない
から、 思い出になりそうなものをいくつか手元に残したいと思い、東京に
持ってきた。

で、先日、そのビックリマンのシールを入れたアルバムを都内の某所に
持ち込んだ。

200枚ぐらいあるから数千円ぐらいなればいいかなと。

査定のためしばし待つオレ。

「えー、お客様のこのシールは悪魔、お守りとかは全部まとめて500円
だったらお引取りできますがー」

愕然とするオレ。やっぱそうだよなー。

俺はシールをB4のアルバムに挟んでいたのだが、
「悪魔とお守りじゃなくて、こっちもあるんですがー」

店員がしげしげと見つめる。

いやー、始祖ジュラとかヘラクライストとかなかなかレアじゃねーの?
と思いつつ、 店員はフツーにパス。

しかーし!店員がある1枚のところでピタッと手を止めた。

しかも、今まで素手でシールを触ってたくせに、白い手袋をどこから
ともなく取り出した。

「最初っから付けろよー。」とは言いませんでしたが、何か店員の
目つきが鋭い。

まるで女の子を漁っているギラついた10代の目だ。

で、その店員が「しばらくお待ちください」と言い残し、店の奥に
行ってどこかに電話しはじめた。

「はい、え、はい、特にスリ傷もなく、え、えー、カドも欠けてません。
私も久々なもので手が震えてるのですが、95点ぐらいは付けられます。
え、えー、はい、はい。わかりました。」

お前、会話全部聞こえてんだけどさー。悪魔とお守りシール査定している
ときと態度180度違うじゃん。

何かを期待させる会話が思いっきり聞こえてんだよねー。

これで500円とか言ってみろ? 3階の売店の隣の部屋に閉じ込めるからな!
若芽の記事になっても知らねーぞ?

「えー、お待たせしました。お客様のこのヘッドシールはですねー」

どうでもいいヘッドから値段と状態の説明をし始める店員。

「あ、ハイハイ。」
俺は話を聞いているフリをしながら、片手に持った携帯でヤフオク相場を
チェックする。

ヤフオクによると、結構いい値段だ。

で、俺のは?

「全部で、ン万7500円」

ちなみに例の1枚が「ン万7千円」で、残りザコキャラ全部で500円!(笑)

直接金額書くのもアレなので、みなさんの妄想を膨らませてください。

まあ、20年近くたってもビックリマンに翻弄されるとは。